2013/02/01

保育園文集(5)2013春「保育園で出会えて良かった3」 #hoiku

大阪市内の私立保育園です。保護者会と保育園職員と協力して毎年発行している文集の巻頭言を書きました。巻頭言を書くのはこれで最後です。(名称は仮名)

巻頭言
2011年春2012年春2013年春

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「保育園で出会えて良かった3」
保護者会会長 ムン青ヒョン

初めてこの文集を手にする新入園の皆さん、保育園へようこそ! 『ひかりのひろば』は保護者や職員が全員でつくる文集です。年長さんだけではなく、保育園に縁ある皆さんの子どもたちへの眼差しを記録するものです。わが子の思い出を記し、成長を共に分かち合うものです。初めて読まれる方も次回からは是非とも投稿して下さい。1969年に第1集を発行した文集も今回で第46集。『ひかりのひろば』バックナンバーは保育園で読むことができます。また前園長夫妻がお書きになった『どっこい~生きつづけた』(S書房1830)も是非手にとって下さい。保育園の歩み、そして保育の歴史に触れて下さい。この保育園の保育のナゾがきっと解けますよ。

今年度は1953年開設の無認可時代(A幼児園)から数え保育園60週年のお祝いを11月に行いました。つい3ヶ月ほど前の出来事ですが遠い昔のことのようです。翻って60年の歴史というのはなんと分厚い歴史でしょう。お祝いの席で僕は現役保護者を代表して喜びを伝えました。「保育園おめでとう! 園で育った全ての子どもたち、現役・先輩保護者、職員保育者、近隣地域の皆さん、保育を通じて今後出会うであろう皆さんと共に喜びを共有したい! 保育園の歴史はまた、保育の歴史であり、地域の歴史であり、家族の歴史です。保育者、保護者が一緒になって、園に縁ある子どもも大人も全員が支えあい、ともに成長を分かち合おうとする保育は、私たちの誇りであり自慢であります。大人たちの本気の信念が、これまで繋げてきた成果です。公的保育を巡る社会情勢や、地域の道路環境なども大きく変化を見せています。困難で先行き不安な状況です。だからこそ、これまでより一層、園のファンを増やし、地域の子育てセンターとして全員が関わって園を盛り上げていきましょう。それは、必ず、子どもを守ること、地域を守ることに繋がるはずです。何を悩み、何を選択し、何を本気で思っているのか、その中身、熱量を共有する中で「信頼」は育ちます。保育園、保護者、保育者職員、もっとざっくばらんに保育園で語りましょう。皆さんとそして地域が縦に横に本音で繋がっていくことが、必ず子どもに響きます。保護者会はこれからも、保育園の一番のファンであり、また、保育を未来に繋げるために保育園とともに歩んでいきたいです。」と述べました。

60周年イベントでは、これまで「よい子・つよい子・考える子」の保育園っ子を大勢世に送り出してきた歴史を、昔のスライド写真、8ミリ動画で紹介しました。参加者の幼き頃の姿もありました。これまで歴史とともに培われ受け継ぎ守ってきた保育が今後より一層花開くことを願っています。しかしながら長く続く不況に、広がり続ける格差、大阪の財政危機がある中、市は全ての幼稚園・保育所を民営化すると「公的責任」を捨てる方向です。園児が80名程で余裕のあった園ではなく、現在園児は120名程になり、老朽化する園施設内で事故が起きないようにと現場の疲弊も増大する一方です。園舎建替えも実現せねばなりません。今年度は保護者会の臨時総会を複数回開催し、道路事情の悪化によりやむを得ず出入口が変更されたことや、保護者の施設利用も課題であること等を共有しました。「盗難」についても当事者と周囲の「温度差」が指摘され、寄り添う気持ちが大切と話し合いました。そして、どの場面でも「子どものためか?」をつねに確認し、時流に流されずに園の守ってきた保育をともに守りたいという思いを共有しました。

最後に個人的なことを少し。3年間保護者会会長を担ってきた僕ですが、今年度で役員をおり一保護者として活動を盛り上げていく所存です。同じ人間が担う弊害が出始めた感があるのと、様々な方が役員を担い、また役員でなくても園を盛り上げるべしを実践していきたいからです。うちの小学3年生の長男(リンゴ)はうちの卒園児ではありません。彼がゼロ歳3ヶ月で入園したのは吹田市の私立保育園(社会福祉法人系)です。その後、吹田市公立保育園(こちらも60周年!)、大阪市の公立保育所と転園してきました。当時の園長や職員には今でも保育イベントで顔をあわせる機会には、「リンゴ!ライトにアゲハ!チョンヒョン久しぶり」と声を掛けて頂いてます。大切な仲間です。保護者会活動がある施設が減る昨今ですが、それら3つの園には保護者会活動がありました。保護者ビギナーな僕たち夫婦にも大切な保護者や職員の友人ができました。今でも付き合いがあります。数年前には役員のなり手が減り存続危機もあった園保護者会ですが、無くしたくないと僕が動けたのは、園を通じて僕にできた保護者友だちの優しく熱く応援して下さる気持ちが励みになったのは勿論ですが、以前の施設で僕を誘い、友人として受け入れて下さった保護者諸先輩方への感謝と、それを新しい現場で次の世代へ繋げ恩返しせねばと気負う気持ちが源でした。園職員や園事務室の先生方は保護者として子育ての先輩でもあります。皆さんにママ友、パパ友、先生友だち、大切な仲間が増えますように。信頼関係が地域に広がり、疲弊感を信頼に変え、子どもと共に成長できる地域になりますように。いつでも「それは子どものためであるのか?」「ひとりぼっちの大人は居ないか?」を確認しあえる園の仲間でありますように。
(2013年2月)

巻頭言
2011年春2012年春2013年春

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